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灯台

by Takapi

平日にホテルに泊まりたい。
そしてそのまま出勤したい。

ただそれだけの熱量で平日の頭の月曜日に清澄白河にできたシェアホテル「LYURO」に泊まることにした。

日の暮れる前に仕事を済ませ、急ぎチェックインし、ビール片手にホテル併設の川沿いのテラスでぼんやりと川を眺める。

視線の端にはスカイツリー。
古くからある街並みと不釣り合いなほど高く近未来的な塔のギャップがなぜだか不思議と安心させる。

新しいものと旧いもの。
先に行くことと止まること。
それらが混じり合い干渉しないこと。
そんな雰囲気を感じたのかもしれない。

日が落ち、近くの居酒屋に社会人になりたての頃からの付き合いである10年来の先輩後輩2人が集まる。「相談したい」とLINEをしていたのだ。

公平であること

「離婚するのか?」 
「いえ、違います」
店に入ってきた2人が開口一番に口にした言葉に出鼻をくじかれ、思わず笑みがこぼれる。

僕から相談することなどほとんどないから、おそらくそのくらいのインパクトなんだろうと、2人は事前に下打ち合わせまでしてくれていたらしい。

「なんだ。じゃあ帰るか。」と言いながらも腰を上げる気配がまったくないままに飲み会が始まった。

空気を和らげる人というのがいる。
目の前の談笑している人たちを見てその理由がわかった気がした。

構えない、おもねらない。

一見不躾なその態度は角度を変えれば公平であるということで、それは自然と相手の心を解けさせるものなのかもしれない。

頼ること

結局相談自体はしっかり聞いてくれた。
先輩として、後輩として、前の職場で僕と接していた時の苦々しいエピソードまでハッキリと話してくれた。

「結局さ、甘え方が甘いんだよ。」

僕の性格を指摘し、上手いこと言ったと満足気にトイレに立った先輩が数分後、戻ってくるなり

「トイレ行け。」
「え?」
「いいから行ってこい。」

トイレに入り、壁にかけてある、よくある名言とセットになったカレンダーを見て合点がいった。

そこには

欠点は認めても値打ちは下がらない
そこから向上が始まる

と書かれていた。
吹き出しながらも「あぁ。かなわないな。」
と呟いていた。

つなげること

ホテルで朝を迎え、起き抜けにメッセージが届く。先日三重でお会いした、地域創生に関わる方からだ。

「会ったら面白そうだから」と素敵な方を紹介してくれた。

メッセージの最後、「遠い空より楽しみにしてますー」の一言に理由はわからないけれども込み上げるものがあった。

目印と拠り所

せっかくの機会だからと朝食の前に隅田川の川沿いをジョギングする。
視線の先にはスカイツリー。その高い高い塔を眺めながら息の上がった頭で思った。

灯台みたいだなと。

そして同時に昨夜会った人たちと今朝メッセージをくれた人の顔が浮かんだ。

灯台は動かない。
そして公平に周辺を灯し続ける。

そして今日も、海に出た人たちの帰る場所の目印として、海へ出た人たちを待つ人の拠り所として人々をつなぎ、そこに立ち続ける。

灯台は目印であり拠り所なのだ。

みなさんにもひとつ、ふたつ灯台があるように。

それでは、また、明日から。

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