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くぐる

by Takapi

「あぁ。うんわかるよ。でもね。鉛筆は削り続けるほど、短くなって折れづらくなるんだよ」

2017年6月3日。
三重県のローカルメディア「OTONAMIE」さんの粋なはからいで、小規模ながらローカルメディア会議をすることになった。

今回の声掛けに滋賀のローカルメディア「シガトコ」さん、岐阜県恵那市のローカルメディア「おへまが」さんも駆けつけてくれた。

会場は三重県九鬼にある漁村ゲストハウス「おとや」。

おとやは築80年の物件を利用した宿泊施設。(分かりづらいですが右側の建物です)

しかし内装を見ればリノベーションというリノベーションをほとんどしていない。
前の家主の仏間はそのままになっていて(写真も飾ってある)、さながら田舎のおじいちゃんの家に来たような感覚だ。とても落ち着く。

ゲストハウスには既にイタリア人カップルが寛いでいて(ワインを作っているとのこと)、ささやかな国際交流もありつつ、和気藹々としながら近況を話し合ったり、今のローカルメディアの課題などが出てきたりと、緩みつつも気が引き締まる会になった。

(余談ですが、鮒鮨がことのほかイタリア人に受けていた。「like a cheese!」とはしゃいでおりました。確かに白ワインに合う気がする。そしてこの宿を知ったのはエアビーとのことでした。)

冒頭の言葉はゲストハウスオーナーの北田さんの言葉。

北田さんと話していて、「くぐった人だなぁ」と酔った頭の中でぼんやり思った。

くぐる。
自分でもなぜこの言葉で形容したのか分からない。
それでもくぐる以外の適当な言葉が見つからなかった。

画一化される言葉と場所

なぜ、リノベーションをあまりせずにそのままの形を残しているのか、という問いに対してオーナーは、そのままでも全然使えるから、と答えた後に少し間を開けて、

「みんなそうやってリノベーションってきれいな言葉で括るでしょ。
そうすると言葉が先行してあるはずもない正解に縛られてしまうと思うんだよね。
板張りの床にシンプルな内装…といったようにね。
そうなってしまうとつまらなくなることもある。
場所によって求められる場所の作り方というものがあるんだよ。

ここは“そのまま”が求められていることが分かったから、このままにしているんです。」

地域の課題の中に「画一化」というものがある。
箱が綺麗なのだけれど中身に愛着をもてない、そんな印象を受ける場所がある。

これは、今回の会でローカルメディアさんから上がってきた一番大きな声でもあった。
地元の人が喜ばない動きが、その場を盛り上げようとする住民の気概を失わせることもある、とのことだった。

その場所を個性あるものにすることは実はすごく難しい。
人が集まらなかったり思ったような経済効果がなければ、外のやっていることを模倣したくもなる。

移住やローカルメディアが流行り、DMOが動きを見せる中、それでもこれからもこの課題はついて回るんだと思う。

くぐること

酔った頭の中で、観光もそうだけど人もそうだろうなとぼんやり思った。

人から求められていると過剰に反応して自分を良く見せてしまおうとすること。
自分で自分をしがらみに放り込んで悶々としては、相手のリアクションに一喜一憂してしまう。

そろそろしっかり認めよう。
そんなに人は人に興味がないということ。

興味がないという前提にたつと人は相手に求めることを放棄できる。
求める心がなくなれば、矛盾するようだけど人に惜しみなく与えることができる。

そういう人のもつ安心感のようなものが、先の「くぐった人」ということになるんだと思う。

オーナーの北田さんは大阪出身だ。なぜこの地を選んだんですか?と聞いた後に笑いながら答えた言葉で締めくくりたい。

「楽しいから。
海沿いにガードレールがないし(笑)
毎年何人か海に落ちているらしいんだよね。
そうゆうゆるい感じがたまらなく面白いんだ。」

それでは、また明日から。

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