LOG IN

歩く速度

by Takapi

朝、いつもと同じ時間に家を出たはずなのに、いつも乗るはずの電車に乗り遅れた。

ただただ足取りが重い朝だ。

そして当然だが電車は今日も同刻に発車する。
その事実がまた少し暗い気持ちにさせる。

やれやれと次の電車を待つ間、何を考えるでもなく空を見ていた時に何かが僕を訴えた。
数秒して、内側から小突くように突き上げる正体がわかった。

それはとてもシンプルで、それでいて僕の最近の悩みの解答としては十分な事実だった。

歩く速度は人それぞれ違うということ。

歩幅も歩調も人それぞれ。
そのはずなのに、いつの間にか自分の歩く速度に合わせてもらいたいと思うようになってしまった。
いや、正直に言えば合わせてもらって当たり前と思ってしまっていた。

ひとつの理想があって、そこに辿り着くためにいろんな人と関わることになる。
時にはチームとなって一緒に目指すこともある。

理想は時に残酷に人を打ちのめす。
それは理想が理解されない、という仕打ちだ。

理解されないという事実は人を否定的にする。
そして話すということを放棄させる。

理解されたいという欲は、呪いにかかったように分かってくれる人を探し、そしてより強く多くを求めてしまう。

自分という容れものには限界がある。
だから多くを求めるということは、その分どこかで喪うことをしないと溢れてしまう。

そんな簡単な、小学生でもわかる算数を、わかったつもりでいつの間にか忘れ、気が付けば繰り返してしまっていた。

隣で歩く人の足音に耳を澄まそう。
いつもと違う足音のリズムなら声をかけよう。

話すことは、立ち止まること。
話したなら、ひとつ息を整え、また一緒に歩き出せばいい。


それでは、また明日から。

このエントリーをはてなブックマークに追加

Takapi
OTHER SNAPS