LOG IN

「街」より「町」が似合う。世田谷線松陰神社前の魅力

by Takapi

世田谷線の中でも、最近注目を浴びている「松陰神社前」。
東洋経済でも取り上げられたりと、まちづくりの“お手本”として取り上げられています。

記事はコチラから。

実は、僕はこの記事はあまりちゃんと読んでいなくて、以前とある会合で、たまたまオイスターバー「アリク」で働いていらっしゃった方と話す機会もあって(その方は北関東のとある県の出身)、その時に上記記事のようなこと、つまり「地元の方と若い人がうまく馴染んでいて良い町だ」ということを聞いていたので、これは早く行かなくては、と思っていたのです。
(その方はここでの経験を地元に生かしたいと先日帰郷されました)

※因みに僕は2年前まで松陰神社前からほど近い世田谷線の山下と宮ノ下の間に住んでいました。気になりつつ来ていないという自らの行動範囲の狭さに辟易とします。

で、ちょうど暇ができたので行ってきました。
しかし、今日がお盆まっただ中だと気付いたのは松陰神社前に着いてからですが……。
店が結構閉まっていたという事実は置いておいて、ぶらり歩いてみた所感です。

町のプラットホーム「松陰PLAT」

まず駅を降りると目に入るのが2階建ての大きな階段のあるこちらの建物。
入口付近に黒板がある。複数のお店が入る複合施設でありながら町の情報も集めている場所(お洒落な掲示板的な)にも見える。

まだ新しい場所なのか、結構見物っぽい住民の方もちらちらとみていきます。
建物の一番奥のパン×ビール屋さんの前で、メニューを眺めていたら住民の方(40歳位のオシャレな男性)が前を通りかかり「なに、ビールなの?」とぼそっと。
僕が「クラフトビールとパンの店みたいですよ」と返せば、メニューを覗き込んで「いやに高いねー。」と苦笑いして去っていきました。

なんだかそのやりとりだけでこの町が好きになりました。

調べれば。
こちらは今年の4月後半にできた「松陰PLAT」というアパートをリノベした複合施設のようで。
ただのお店の集合だけではなく、町のプラットホームとして機能していくことを目標としている場所らしく、カフェや雑貨屋だけでなく、まちの案内所「せたがやンソン」があり、イベントの受付やレンタルバイク(開始予定)等町の人のためのサービスの受付もしていたり、しっかり地域とのコミュニケーションとして機能いしているようです。

松陰PLAT

住んでいる駅の目の前にこういうスペースがあるのは観光地でない場所では結構珍しいのではないかと、改めて大きい階段を見上げながら思いました。
因みにさっきの少し高いパン屋は深夜までやっていて、働いた後のサラリーマンにも優しいお店でした。
そんな風に同じ視座に立ってくれいている(と思わせてくれる)場所(それは実際のコミュニティスペースでもお店でもいいのですが)があるのは住んでいてものすごい安心だよなぁと感じました。

2階の奥は「タビラコ」というカフェとギャラリーのお店。
入った時は既に住民のと思わしき方とカフェの店員が談笑していました。

"いびつ”なメイン通り

と。いきなり僕ら世代にわしづかみの町なのですが、メインの松陰神社通りを歩けば少し、というかかなり“いびつ”な感じに気付きます。

吉祥寺や自由が丘にあるようなお洒落なカフェがあると思えば、「昭和以前」からあるようなお店がそれこそ交互に続くような感じで続きます。
そのそれぞれのお店も気持ちいい程度の大きさで気持ちいい程度のお客さんが常にいるような感じ。
新旧が喧嘩していないし、むしろお互いをあまり気にしてないような雰囲気がある。

色んな雑誌にも取り上げられているカフェ「STUDY」。
ほどよい席間、明るい店内が雰囲気が良い。パンが美味しかった。

そんなお洒落なカフェを少し過ぎれば見えてくる囲碁将棋倶楽部。
ちょっと覗いたらおじさまでいっぱいで賑わっていた。

かと思えばそのすぐ隣には、それこそ8月13日(昨日!)オープンしたコロッケ専門店「All About My Croquette」が出来ていて、若い店員が切り盛りしている。

ビーツクリームチーズとプレーンコロッケ。
ソースをスポイルで刺して具に直接届かせるやり方は初めてで新鮮。

このお店の前身が気になって調べてみたら、前はとんかつのお店「さぼてん」でした。
※google street調べ

揚げ物の店から揚げ物の店へ。厨房はもしからしたら改修費用が抑えられたのかも、なんてことも頭を過りました。

ここでも住民と思われるおじさまが入ってきて店員に「ついにだねー。頑張ってねー。」みたいな声をかけているのが微笑ましかったです。
小さなコミュニティであれば自然と会話は生まれるものなのかもしれない。

線路をまたいで商店街通りにデザインやアート関連の本が揃う本屋「NOSTOS BOOKS
店内は眼鏡男子でいっぱいでした。

そうそう。今回一番気になったこと。
この町を歩く20代から30代の男性はメガネ比率が非常に高く、いわゆるサードウェーブ系に属する方が多かったです。
対して女性は、hanako系というか、男性ほど尖ってない方が多い印象で、そのアンバランスさもちょっと興味深かった。
そんなアンバランスさから、あんまりそこにいる男女が相容れていない感じがしたのだけれどこれはなんでなんだろう。
調べても分からなかった。詳しい方がいたら教えてください。

さて。
他にも突如現れる短いアーケードや、焼き鳥×カレーという異色の組み合わせの古くからあるお店など(焼き鳥を焼いているのが海外の方、というのをはじめてみました)実に飽きない通り。

古いと新しいがミックスされているのだけれど、しっかり若い人が寄りかからずに盛り上げていこうという姿勢と、ずっとこの地にいる方の「好きにしなさい」という感じ。あまり干渉がないのだろうなぁという印象を受けました。
実際のところはそれぞれ、いろいろあるのだと思います。そのあたりは実際に話を聞いてみないと分からないですが、それでも若い人たちがしっかり手を取り合っている、という画は見えて、ちょうと良い温度のエネルギーを感じました。

心地いいエネルギーの正体

そのエネルギーがすごく心地良かったのですが、なんでなんだろうと考えてみる。
おそらくそれがエリアぐるみ、というより「個人対個人」の関係から派生する「町づくり」に見えるからなのだという結論に至りました。

エリアとして括れば括るほど「マーケティング」が頭をもたげます。
そうなると必然的に手法として「効率」に走ります。そしてそれは往々にして今までやってきたことの「否定」になり、ともすればスクラップアンドビルドに近いやり方をしてしまいがちです。

ここの方たちは、もともとある町の文脈を個人なりに受け取って「これから」を見ているような気がします。
そんな雰囲気があり、実際にそうなっている(と勝手に確信している)からずっとこの地にいる方も過干渉にならない(と勝手に確信している)のかなぁなどと勝手に解釈。

冒頭の東洋経済の記事の中から引用すると

この街では誰か一人ではなく、複数の人たちがそれぞれの立場から街にかかわっており、鈴木氏のように自立して街を盛り上げる活動をする人たちがいる。佐藤氏いわく「キーパーソンがやっている街はその人がいなくなったらダメになる。でも、ここは違う」。
東洋経済ONLINE

ということなのだと思います。
などと思っていたらこの町の塾の前にこの町を言い表しているポスターがありました。

ライバルを見るな。ゴールを見よ。
そうですね。他の街がやっているからうちも、ということではなくてこの町に根付いたものは何で、どう変えていけば住民が気持ちよく住めるんだっけ?
ということを考えていくことなんですよね。

最後に、こういう「まち」は「街」ではなくて「町」と書きたくなりますね。
これも不思議な感覚です。
街よりも町が似合うまち、松陰神社前。

また来たいと思います。お盆以外で……

このエントリーをはてなブックマークに追加



Takapi
OTHER SNAPS