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明日の飲み会はカウンター席を予約してください

by Takapi

「酒場の“行きつけ”を見つけたいなら、まずはカウンターのある店に入ることです」

とあるイベントにて「1人で行く近所の行きつけの酒場を見付けるにはどうしたらいいですか?」という問いに対して、日本中の酒場を渡り歩いてきた方から出てきた解答です。

これを聞いた時、会場一体が「なるほどなぁ」と膝を打ちながら頷いていたのが印象的でした。

サードプレイスという言葉があります。
ざっくり言えば、家庭でも職場でもない場所で、自分の背負っている肩書を外して、ゆるやかにコミュニケーションができる場所のことです。

店主との何気ない会話。横に座った常連さんと顔見知りになること。
カウンター席はその人にとってもうひとつの「居場所」になるということで、つまりはサードプレイスということになります。

でもこれは割に最近よく語られる話です。
赤提灯の酒場が流行してきたことも、これに符号する形で語られます。

しかしながら、僕が最近の酒場付き合いを経て思うのは、1人で行く酒場の話だけではなく、むしろ2人で酒場に行くときもカウンター席を選んだ方が良いということです。

言葉を投げるテーブル席と言葉を落とすカウンター席

なぜ、カウンター席を選びたいと思うのか。
最近の僕の酒場の付き合いは、テーブル席カウンター席が半分半分といったところです。

繰り返される(そして半分以上記憶を失くす)飲みの席で、テーブル席とカウンター席のコミュニケーションの違いに傾向が見えてきました。
(あくまで僕の実体験に基づいた話です)

ひとつめは、当たり前のことですが「面と向かっているか否か」ということになります。

テーブルで「面と向かって」話すということは、目を見て話す必要があったり、相手のリアクションが表情で分かったりと、少なからず相手の「顔色を窺う」という所作が入ります。

そうなれば必然、人は繕います。
言葉を選び、理路整然と相手に伝わるように、つまり投げかけるような話し方になります。

それがカウンターになれば、少なくとも「常に」相手の顔色が分かることはありません。
勿論アイコンタクトを取ることはありますが、基本的に話す言葉は相手に直接は向かいません。

テーブル席上のように言葉を投げかけることよりも、自然言葉を自分の手元に落とし、相手が拾うのを待つような恰好になります。

そうなるとどうなるか。

言葉数が減るんです。
テーブル席よりも圧倒的に減る。
そして面白いことに会話量が減っても相手の顔色はそこまで分からないのであまり気になりませんし、繕う言葉がない分、実直な言葉が交わされることが多くなります。

また話す内容も、知識や論理よりも「感覚」の話が多くなります。

酒の席です。
当然ながら頭も働かないので論理的な会話などそもそも出来ません。
それをムリして目の前の相手を納得させようと働かない頭で話すから、言葉尻をあげつらうような事が起きてしまいます。(ような気がします)

カウンターに座り、相手の目も気にせず、酔った頭のまま
「実は、今はこんなことしてるけど、いつかは○○したいんだよなぁ」
「へぇ。そうだったんですか。なんだか良いですね」
と、問わず語りをするドラマのような「想いの発露」が多くなるのがカウンター席の特徴でもあります。

「想い」はその時は酔って聞いていても次の日にちゃんと記憶として残っています。(相手にもよりますが)

そして、昨日よりも相手に好感を持つ事が多いのもこんな席の次の日ならではです。

クローズドなテーブル席と半オフィシャルなカウンター席

そしてもう一点違う点は、カウンター席は料理を振る舞う人が自分たちの会話の届く範囲にいるということと、隣に座る人にも声が届きやすいということです。

いわば「半オフィシャルな席」ということになります。

勿論テーブル席でも隣にお客さんはいます。いますが耳に入ってこないことの方が多いです。

おそらく先ほどのように、面と向かうテーブル席では、相手の顔色を窺うという所作が、目の前の人との会話に意識を集中させ、隣の席に意識がいかなくなるのでしょう。だから聞こえてても頭に入ってこない。(根拠はないですが)

お店の人や隣の人が話を聞いていることが「分かる」というのは、不思議とお酒の席では気になりません。

むしろカウンター席に座れば、お店の人や隣の人と話すことの方が多くなります。
全く知らない人に自身のことや仕事のことを説明するのは結構難しくて、普段とは違った頭の使い方をします。
それが案外新しい気付きを与えてくれたり、お店の方の何気ないリアクションの一言が仕事のヒントになったりもします。

また、誰かが聞いているというのは、少しだけ身を正すことにもなります。
(お店の人と馴れ合いのようになっているお店はこの限りではないです)

あまり知らない人には見栄を張りたくなるものです。
なので、なんだかんだ紳士に行儀よく振る舞います。
カウンター席で喧嘩が起こるのをあまり見たことがないのもこれがあるからだと思います。

※このあたり、飲食店をしている方の意見を聞いてみたいです。

そんなわけで年末です

穏やかに、それでいて距離が縮まるカウンター飲み。
引き続き推奨していきたいです。

そして、これが大切なことですが、カウンター飲み、いつでも誘いを待っています。

じっくりのんびり「言葉拾い」しませんか。

※関係ないですが、「笑っていいとも」のテレフォンショッキングも横並びでしたね。

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